Dandyclub’s diary

ジェントルマンの語らい

by Mikoto

 

初めてこの手袋を見たのは、毎年フィレンツエで開かれるピッテイ・ウオーモでのことでした。この手袋のデザイナーが言うには、一昔前のモデルを基に色をビビッドにしたりと今風にアレンジして男性用、女性用に売り出しています。私もドウエッチの皮手袋を1双持っていますが、とても柔らかくエレガントで、お気に入りの1つです。このブランド、ドウエッチの誕生秘話を紹介します。

 手袋生産はナポリ地方の伝統技術の一つであります。1930年に曽祖父アントニオが開業して以来、1950年に祖父のジョバンニ、1975年に父アントニオに引き継がれてきました。生まれたばかりの二人の愛娘の名前の文字から DUE, コロンナ家を意味するCCIの文字を合わせ、ブランド名 ’’DUECCI di Antonio Colonna’’ が生まれまた。

 高品質、デザイン、心地良さ、バラエテイの豊かさ、オリジナリテイを追求してきたDUECCIは、多くの手袋生産者の中でも注目を集めるようになりました。初めのうちは、ナポリの職人のために手袋を生産したり、イタリアの小さな店に卸していたが、最後には、ArmaniGianfranco Ferre' Dolce e Gabbana, Versace などの有名ブランドとの契約に至りました。ミラノ、パリ、ロンドン、モスクワ、サン・ピエトロブルゴのようなファッション主要都市での展覧会に出品し、国外市場でも知名度が上がりました。典型的な職人技術と工業生産、伝統と変革をバランスよく活用することによって、新素材を使用しつつも、細部への配慮を欠くことなく大量生産につなげる事ができました。

 2008年から娘シモーナがDuecci di Simona Colonna” と改名し家業を続けています。この頃から男性用、女性用、子供用の革、布手袋の生産に力を入れ始めました。アクセサリー業界は長年不況続きだったが、今は、イタリアファッション界を引っ張る存在にあり、Made in Italy からは目が離せません。

 小さくはじめた家業が今は世界の競争社会市場へと進出することができました。優れた職人技と手袋の品質へのこだわりが今の私どもを導いてきた。それはナポリの誇りであり、イタリア製であることの名誉であると、語っていました